高橋 賢

China Mission

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O-NECUSオータムセミナーを開催

あらゆる組織において、人材の確保は死活問題である。大学にとって、学生は貴重な人材である。2015年11月10日から11日にかけて、高橋は中国の大連医科大学と中国医科大学を訪問し、留学生募集のセミナーを行った。

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科に、O-NECUS (Okayama University-North East China Universities platform, Graduate Student Exchange Program)というプログラムがある。岡山大学と中国東北部の4大学が提携して共同研究を行うこのプログラムでは、選抜試験により毎年10数名の中国人修士学生が岡大医歯薬の希望研究室に配属され、1年間の研究を行う。

留学生の話から、彼らの母校ではO-NECUSの認知度が低いことがわかった。この状況を改善するため、O-NECUS委員会は高橋にセミナー開催の任務を与えた。提携校を訪問し、現地の中国人学生にO-NECUSプログラムを広報し、優秀な留学生の獲得につなげる。中国の新学期が9月に始まることから、時期は秋に決まった。訪問先は、スケジュールの都合から大連医科大学と中国医科大学の2か所に決まった。

セミナーの企画と人選に関し、高橋に全権が与えられた。組織を代表して外国に赴き、人材獲得のための集会を開催する新規外交ミッション。責任は重いが、これほど面白い仕事もそうそうない。現地留学生のO-NECUSの認知度を上げることの他に、暗黙の目的が2つある。訪問大学との良好な関係の維持と、訪問大学の運営サイドのO-NECUSプログラムに対する意識・動向の調査である。委員会は当初チーム編成として教職員2名、留学生1名を想定していたが、高橋以外の教職員の都合がつかなかったため、高橋と留学生の郭叡の2名でこの任務に当たることとなった。

第1の訪問先である大連医科大学に着くと、会議室に通された。国際交流合作処副処長、研究生院副院長、および国際交流処の担当者2名と、大学間の今後の方向性について約1時間会談した。その後は部屋を移して昼食を共にした。大連医科大学には、客人と昼食をとるための円卓を備えた専用の部屋がある。部屋の装飾は立派で申し分ない。どうやら専属の調理師もいるように見受けられた。日本の大学にはこのようなシステムはないように思う。

その後は講義室に移動し、13:30より学生向けのO-NECUSプログラム紹介セミナーを行った。約100名の学生がほぼ部屋を埋めた。高橋が英語で30分話した後、郭が中国語で20分ほど話した。郭の起用は著明な効果をもたらした。郭は自身がO-NECUS留学生なので、話に大変な説得力がある。日本の教職員が英語で話した後に質問を求めると、通常2、3人の反応しかない。ところが郭が話した後には、15人以上の質問が30分以上途切れることなく続いた。その後も郭のWeChat(中国版のLINE)宛に数十件の質問があった。

大連医科大学でのセミナーを終えると、新幹線で瀋陽に向かった。翌日に第2の目的地、中国医科大学へ。国際交流処の担当者2名と昼食をとりつつ大学間の交流について会談した。その後講義室に移動し、学生約33名(修士1年生14名、修士2年生4名、修士3年生1名、博士学生2名、その他11名)を前にO-NECUSプログラムの紹介を行った。内容は、大連医科大学で行ったものと同様である。ここでは高橋への直接の質問が5件あった。郭への質問は30分以上途切れず続いた。さらに引き続き、中国医科大学国際交流処の担当者直々にO-NECUSプログラムの説明が20分あった。

中国では、日本で学びたいと真摯に考えている学生が少なくないと実感した。そのような人材がしかるべき教育を受け、社会の発展に貢献することこそ、大学が目指すところだろう。

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