2020年を振り返って
2020年はコロナウイルス感染症のパンデミックにより、出勤や出張が制限され、会議や講義をオンラインで行うなど、歴史に残る一年でした。この激動の中でも、日頃と変わらない活動の継続により多くの成果がもたらされました。
出版
初めてのビデオ記事をJournal of Visualized Experiments誌で発表しました。 従来の紙媒体ではなく、ビデオ媒体での表現を探索することで、研究コミュニケーションを強化しました。
Liu Y, Liang Y, Wang M, Wang C, Wei H, Naruse K, Takahashi K. Model of Ischemic Heart Disease and Video-Based Comparison of Cardiomyocyte Contraction Using hiPSC-Derived Cardiomyocytes. J Vis Exp. 2020 May 5;(159). doi: 10.3791/61104. PMID: 32449739.
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研究費獲得
高橋は日本学術振興会の科学研究費・基盤研究(B)を取得しました。1,500万円の研究費は、心筋梗塞、脳梗塞および腎移植による組織傷害の共通のメカニズムを解明する研究に用いられます。
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称号付与
岡山大学により高橋は研究准教授の称号を付与されました。研究准教授の制度は、優れた研究能力を備えた研究者の積極的な活動を促進するために設立されました。
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UNCTADの研究者育成プログラム
国連と岡山大学の協力により、アフリカとASEANの研究者の新たな人材育成プログラムがつくられました。 高橋はこのプログラムの受け入れ研究者の一人に任命されました。
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学会発表
高橋は、臓器チップ研究に関する発表を日本生体医工学会および情報計算化学生物学会(CBI学会)で行いました。CBI学会では、シンポジウム講演を行いました。
高橋 賢, 王 梦雪, 劉 雲, 梁 茵, 王 晨, 成瀬 恵治. Development of microfluidic cell culture system in preparation for human organ on a chip. 第59会日本生体医工学会大会. 2020年5月26日.
高橋 賢. ヒト臓器チップを用いた臓器機能評価. CBI学会2020年大会. 2020年10月27日.
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研究者受け入れ
コロナ禍の困難な状況下でしたが、ミャンマー保健・スポーツ省推薦のCherry Maung博士を1ヶ月受け入れました。
学術誌編集委員
国際学術誌の編集委員を3誌、査読者を1誌より任命されました。
Oct 2020 Pathophysiology 学術誌編集委員
Jul 2020 Heart and Mind 査読者
Jan 2020 Biology and Medicine 学術誌編集委員
Jan 2020 Hearts 学術誌編集委員
論文査読
科学と医学の発展に貢献するため、国際学術誌の論文査読を35件行いました。(Publonの記録はこちら)
2 rounds from Nov 2020 to Dec 2020 for Current Molecular Pharmacology
Reviewed: Dec 2020 for International Journal of Molecular Sciences
2 rounds from Nov 2020 to Dec 2020 for Molecules
Reviewed: Nov 2020 for Pathophysiology – Reviewed: Oct 2020 for Life Sciences
Reviewed: Oct 2020 for International Journal of Molecular Sciences
3 rounds from Aug 2020 to Oct 2020 for Life Sciences
4 rounds from Jun 2020 to Sep 2020 for Life Sciences
Reviewed: Sep 2020 for AIMS Biophysics
Reviewed: Jul 2020 for Journal of Biomechanics
Reviewed: Jul 2020 for Medical Science Monitor
Reviewed: Jul 2020 for Journal of Clinical Medicine
2 rounds from Jun 2020 to Jul 2020 for Antioxidants
Reviewed: Jul 2020 for Life Sciences
3 rounds from Apr 2020 to May 2020 for Applied Sciences
2 rounds from Apr 2020 to May 2020 for AIMS Biophysics
Reviewed: Apr 2020 for Journal of Visualized Experiments
Reviewed: Apr 2020 for Biomedical and Pharmacology Journal
Reviewed: Mar 2020 for Biomedical and Pharmacology Journal
2 rounds from Dec 2019 to Mar 2020 for Journal of Physiological Sciences
Reviewed: Mar 2020 for International Journal of Molecular Sciences
Reviewed: Feb 2020 for Insights on the Depression and Anxiety
Reviewed: Feb 2020 for Annals of Biomedical Science and Engineering
Reviewed: Jan 2020 for Biomedicines
会議
JSPS-LEADSNET研究交流会に参加し、優秀でアクティブな研究者らとの交流を深めました。
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講義・実習
次世代の研究者、医師、医療関係者を育成するために講義と実習を行いました。COVID-19の影響により、すべての講義・実習をオンラインで行いました。いくつかの講義では、初の録画ビデオによる講義を行いました。
Zoom Lectures
Apr 2020: Human Physiology (Master’s Course, Okayama University)
Jul 2020: Physiology Lecture (Dept. of Medicine, Okayama University)
Jul 2020: Physiology Practice (Dept. of Medicine, Okayama University)
Jun – Jul 2020: Physiology Lecture (Okayama University of Science)
Sep 2020: Myocardial Infarction Special Lecture: Cause for Arteriosclerosis (Ph.D. Course, Okayama University)
Sep – Oct 2020: Pathobiochemistry Course (Dept. of Medicine, Okayama University)
Oct – Dec 2020: Medical Research Internship (Dept. of Medicine, Okayama University)
Video Lecture
Jun 2020: Anatomy and Physiology (Okayama Medical and Welfare College)
委員会活動
岡山大学の臨床研究を推進するため、毎月の臨床研究審査専門委員会に参加した他、委員として臨床研究の申請書類の審査を行いました。
2021年に向けて
2020年は多くの成果を上げることができました。高橋賢の2021年の抱負はこちら。
UNCTADの研究者受け入れプログラムを積極的に進めることで、SDGsの推進に貢献しつつ、さらなる国際的活動の布石としたい。
研究では、チームメンバーの研究力を強化してチームの活動を効率化しつつ、共同研究のネットワークを拡大することでより大きな成果を上げたい。
研究内容は、心臓、腎臓および脳の臓器チップの開発をさらに強化する。
出版は、より学術的な質と実用的価値の高い研究を推進することで、ハイインパクトな雑誌への論文掲載を目指す。チームメンバーの執筆力を強化し、共同執筆を効率化することで掲載論文数を伸ばす。また、共同研究者と協力してSpecial Issueを手掛けたい。
論文査読は、ハイインパクトな雑誌でより質の高い論文の査読を目指す。
研究費獲得に関しては、共同研究者との連携を意識しつつ、綿密に計画を立てて次の機会に備える。
学会発表は、ヨーロッパ心臓病学会などレベルの高い学会での発表を目指す。また、共同研究者と協力してシンポジウムの企画を行いたい。
講義・実習は、2020年での内容を再確認し、双方向性を意識して質をさらに向上する。
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Takahashi Lab at Okayama University uses principles of physiology, cellular and molecular biology, and biophysics. The purpose of the lab is to develop science and medicine by unveiling the mechanisms of diseases through collaborations with scientists, epidemiologists, and corporate alliances. The alliance includes Harvard University, Boston University, Tokyo University of Science, and PD Aerospace, Ltd.